これまでは老後に年金を受け取るためには、原則として25年間保険料を納めなければなりませんでした。
しかし、2017年8月に法律が変わって、25年から10年に短縮されました。
国民年金を10年間納めたとすると、いったいいくら年金が受け取れるのでしょうか。
そして、どのくらいで納めた保険料の元が取れ、どのくらいの期間納めるのが得をするのでしょうか。
これからご紹介していきます。
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国民年金の保険料を10年間納めた場合、受け取れる年金はいくら?
国民年金の保険料を10年間納めたとすると、65歳から受け取れる年金額はいくらになるのでしょうか?
それは、月額16,235円です。
国民年金は20歳から60歳までの40年間、保険料を納めるのが原則となっています。
もし、40年間満額の保険料を納め続けたとすると、受け取れる年金額は、
月額64,941円(平成29年度)となっています。
10年間納めたとすると、その4分の1ですので
64,941円÷4=16,235円
となり
月額16,235円受け取ることができるということになります。
これまでは年金を受け取るのに25年必要だったのが、これからは10年で受け取ることができるようになりました。
しかし、これまで25年間納めたときに受け取れた年金額と同じ金額を10年間納めただけで受け取れるというわけではありません。
納めたら納めた分だけの年金しか受け取れないということには変わりありません。
20年ならいくら? 30年ならいくら?
10年間保険料を納めたとすると、受け取れる年金は月額16,235円であることが分かりました。
では、20年や30年保険料を納めたとすると、いったいいくら受け取れるのでしょうか。
保険料を納めた期間 | 納めた保険料の合計額(満額納めた場合) | 老後に受け取れる年金額(月額) |
---|---|---|
10年 | 1,978,800円 | 16,235円 |
15年 | 2,968,200円 | 24,353円 |
20年 | 3,957,600円 | 32,470円 |
25年 | 4,947,000円 | 40,588円 |
30年 | 5,936,400円 | 48,706円 |
35年 | 6,925,800円 | 56,823円 |
40年 | 7,915,200円 | 64,941円 |
平成29年度の保険料額(月16,490円)、年金額(月64,941円)で計算してあります。
こうして見ると
20年間保険料を納めたとすると、受け取れる年金は月額32,470円
30年間保険料を納めたとすると、受け取れる年金は月額48,706円
であることが分かります。
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納めた保険料は何年で元が取れるの?
10年間保険料を納めた場合、その納付総額は1,978,800円です。
(16,490円×12ヶ月×10年=1,978,800円)
決して少なくない金額であるといえそうですが、納めた保険料は何年で元が取れるのでしょうか?
受け取れる年金は月額16,235円なので、年額は16,235円×12ヶ月=194,820円です。
納めた保険料の総額を年額で割ると
1,978,800円÷194,820円≒10.15年
となり、およそ10年1ヶ月で元が取れることになります。
なお、20年や30年、40年保険料を納めた場合でも、同様におよそ10年1ヶ月で元が取れます。
つまり、65歳から年金を受け取り始めたとすると、75歳まで受け取れば元が取れる計算になります。
何年納めるのが得なの?
保険料を何年間納めても、およそ10年1ヶ月でその元が取れることが分かりました。
では、どのくらいの期間保険料を納めるのが得なのでしょうか?
10年1ヶ月で元が取れるということは、10年2ヶ月目以降は得をしていくということになります。
納めた保険料が多ければ多いほど、毎月の年金額も大きくなりますので、10年2ヶ月目以降は、保険料を納めた期間が長ければ長いほど得をするということになります。
具体的に80歳まで年金を受け取った場合、85歳まで年金を受け取った場合で見てみると
保険料を納めた期間 | 老後に受け取れる年金額(月額) | 75歳2ヶ月~80歳までに受け取れる年金総額 | 75歳2ヶ月~85歳までに受け取れる年金総額 |
---|---|---|---|
10年 | 16,235円 | 957,865円 | 1,931,965円 |
20年 | 32,470円 | 1,915,730円 | 3,863,930円 |
30年 | 48,706円 | 2,873,654円 | 5,796,014円 |
40年 | 64,941円 | 3,831,519円 | 7,727,979円 |
となり、保険料を納めた期間が長いほど多く受け取ることができることがわかります。
85歳まで生きた場合を具体的にみてみると
10年と20年でおよそ200万近く
10年と30年ならその差は400万近く
10年と40年ではその差はなんと600万近く
の差が付きます。
40年間フルに保険料を納めた人が老後もっとも得することが分かります。
年金というと真面目に払った人が損をするイメージがある人もいるかと思いますが、現実は逆だったのですね。
納めれば納めるほど得になる。
なるほど、よくできたシステムですね!
まとめ
年金を受け取るのに必要な期間が10年に短縮されましたが、国民年金を10年間納めたとすると、月額16,235円という金額になります。
この金額をどう捉えるかはそれぞれかと思いますが、毎月16,235円だけでは老後の生活が安心だとは言えないでしょう。
そして保険料を長い期間納めた方が、老後により得ができることも分かりました。
「10年に短縮されたので、10年間納めればそれでいい」とは思わずに、毎月コツコツ保険料を納めて、少しでも安心した老後を過ごせるように備えておきたいものです。
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