国民年金の保険料を毎月納めてきた夫が、年金を受け取る前に亡くなってしまいました。
年金の受け取りは原則65歳からですので、全額掛け捨てになってしまうのでは?と思うと、とてもやるせない気持ちになってしまいます。
しかし一定の条件を満たせば、遺族が年金や一時金を請求することができますので、どんな条件でどのようなものがあるのか、一緒に見ていきましょう!
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国民年金を受給する前に死亡したとき、受け取れる年金や一時金とは何?
国民年金を納めてきた人が、自分自身の年金を受け取る前に亡くなった場合、遺族が請求できるものとして、以下のようなものがあります。
- 遺族基礎年金
- 寡婦年金
- 死亡一時金
それぞれ請求できる条件や受け取れる金額が異なりますので、一つずつ見ていきましょう。
① 遺族基礎年金
条件
- 夫の死亡当時、夫により生計を維持されていたこと
- 「子のある妻」または「子」であること
- 子がまだ18歳の年度末に達していないこと
支給額
- 779,300円/年(平成29年度)
遺族基礎年金を受け取るためには、子がいることが条件の一つで、すべての子が原則18歳の年度末を超えていれば、遺族基礎年金を受け取ることはできません。
また当時18歳未満だったので受け取れていたとして、数年後にその子が18歳を超えた場合、その子が18歳の年度末を最後に翌年以降の支給はなくなります。
また、「生計を維持されていた」とは、「死亡当時、死亡した人と生計を同じくしており、将来にわたって年収850万円以上の収入が得られないこと」とされています。
② 寡婦年金
条件
- 国民年金の保険料を10年以上納めていること(全額免除でもOK)
- 夫により生計を維持されており、継続して10年以上婚姻関係にあること
- 夫が老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金も受給せずに亡くなったこと
支給額
- 妻が60歳から65歳になるまでの5年間に限り支給されます
- 夫が受け取れたであろう年金額の、4分の3を受け取れます
もし夫が65歳からの老齢基礎年金を満額の779,300円受け取ることができていたとすれば、その4分の3の584,475円(1ヶ月当たり 48,706円)を受け取ることができます。
なお、寡婦年金は60歳から65歳までの5年間の有期年金なので、夫が死亡した当時65歳以上である妻は、この寡婦年金を受け取ることはできません。
③ 死亡一時金
条件
- 国民年金の保険料を3年以上納めていること(全額免除はNG)
- 夫が老齢基礎年金だけでなく、障害基礎年金も受給せずに亡くなったこと
- 生計を同じくしていたこと(妻だけでなく、子・父母・兄弟姉妹などもOK)
支給額
- 保険料を納めた期間により、120,000円~320,000円の間で支給額が決定されます
国民年金の保険料を3年納めた場合は120,000円、20年納めた場合は170,000円、35年以上納めた場合は320,000円といったように、納めた期間により一時金として支給されます。
また、死亡一時金は妻だけでなく、同居している親や兄弟なども請求することができます。
まとめ
上記のすべてに当てはまったとしても、一人一年金の原則により、すべての遺族年金を受け取れるわけではありません。
遺族基礎年金を受け取れる場合は、遺族基礎年金を受け取り、遺族基礎年金を受け取れない場合は、寡婦年金と死亡一時金のどちらか一方を選ぶことになります。
なお、夫が国民年金の保険料をどのくらいの期間納めてきたかわからない場合は、年金事務所で調べてくれますので、最寄りの年金事務所に相談してみてくださいね。
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