「20歳になったら国民年金。」

昔の日本年金機構の合言葉でした。

国民年金は強制加入が義務付けられている制度ですので、20歳から60歳の日本に住所を置いている人は全員加入しなくてはいけません。

しかし、この20歳という年齢。まだ学生の方々も多いと思います。

さすがに自分で稼いで払うというのは、今の保険料(月16490円:平成29年度)からすると難しいです。

そこで学生の場合は、この保険料が免除される制度があります。

この制度を上手に使い、払えない期間を乗り切りましょう。

スポンサーリンク

学生の国民年金保険料が免除される制度。学生納付特例とは?

冒頭のように、国民年金は強制加入の制度です。

条件を満たす全ての人が加入して保険料を払わなくてはなりません。

なので、国民年金の加入者は多種多様です。

自営業者、主婦(夫)、失業者、学生等々。

これを見た時に何か気づきませんか?

自営業者は別ですが、自分の稼ぎが少ない方々です。

その人達に国は「借金してでも保険料払え」とは言えませんので、収入によっては免除を受けることができるようになっています。

収入のない学生の方は、「学生納付特例」という制度を利用することにより、保険料を払わなくてもよい状態を作れます。

ただし、これには条件があります。

まずは、①本人の所得(収入ではありません)が、基準以下の場合。
そして、②学生である場合。

詳しい基準は日本年金機構のホームページを参照してください。
年金機構 – 学生納付特例制度

分かりにくいですよね。さすが、元国の機関です。

①本人の所得が収入ではありません)が、基準以下の場合

単純に説明すると、①の条件は自分で住民税を納付しなくてはならないかを確認してください。

おそらく、ほとんどの学生の方はそんな状態にはないと思います。

特に20歳になりたてであれば、①の条件はクリアしていくと思います。

例え税金を払っている人でも、該当する場合がありますので、手続きしてみて結果を見るという方法がお勧めです。

手数料を取られたりするようなこともないので大丈夫です。

②学生である場合

実は②の方が厄介です。

ほぼ全ての学校が網羅されているように思いますが、たまに条件にある「都道府県知事の認可を受けた学校」に当たらない場合があります。

ホームページにも該当する学校の一覧がありますので、念のため確認しておくのがよいと思います。

学生免除の手続き方法はどうするの?

それではいよいよ学生免除の手続きの方法です。

手続きは、日本年金機構の窓口、市町村の窓口、郵送と様々な方法があります。

一般的に必要なものは、年金手帳、学生証のコピー(学生証がなければ在学証明、こちらは原本)です。

他の特殊なものとして、窓口で手続きするなら身分証明が必要となる場合があります。

提出先に確認しても良いのですが、面倒ですので郵送したほうが早くて簡単です。(場所によって必要なものが統一されていません)

申請書はホームページからダウンロードできますし、各窓口、うまくいけば通っている学校でも用意しているかもしれません。

申請書を記入して、添付委書類をつけて、郵送。

これで手続き終了です。

数か月後に結果が送付されてきます。

スポンサーリンク

学生免除を受けるとその後はどうなるの?将来の年金は?

さて、学生制度を利用した時に利点は何なのか。そこをお話しします。

まずは、保険料の納付が一旦据え置かれる。

実は「学生免除」という言い方は間違いです。

分かりやすくするため、今まで使ってきましたが、厳密にいうと大きな間違いとなります。

国民年金制度の目的は、保険料を掛けて老後や障害に備える、言ってしまえばお金を貰うための制度です。

その貰うお金には税金が投入されています。

免除と名前の付く制度は、その税金分は保障しますよという意味です。

しかし、今回の制度は「学生納付特例」という名前です。

免除という文字は入っていません。

なので、少々貰えるお金に制限がかかります。

まず、将来の年金は増えません。

しかし、受給権を得るための10年という期間には加算されます。

そして、この学生納付特例の本来の意味は、将来貰う年金ではなく、今の給付。

障害年金や遺族年金の保障にあります。

保険料が未納であれば、障害年金や遺族年金を貰うことができないかもしれません。

しかし、この学生納付特例の紙切れ1枚を出すだけで、そこの保障を受けることができるようになります。

これは大きな部分で、滅多に発生しませんが(してもらいたくもありませんが)、相当な割のいいものとなります。

民間の保険会社ではこの制度は作れないでしょう。

国ならではの制度です。

それに、この間の保険料は、後で追納という形で納めることができます。

本来2年で払えなくなる保険料を、最大10年さかのぼって払うことができます。

2年以上経つと加算金のようなものがついてしまいますが、年金額を多くしたいという人は払うと年金額が増えます。

しかし、今の国民年金は40年掛けて80万を少々欠けるくらいです。

ということは1年分払うと約2万円が年額で増えるという計算です。

これを多いとみるか、少ないとみるか。

それは個人の価値観に委ねられます。

まとめ

学生納付特例制度は学生だけに与えられた、その名のとおり特例制度です。

紙切れ1枚の提出で保障が受けられる制度ですので、使わない手はありません。

手続き忘れのないようにしておきましょう。

ただし、払った方が将来もらえる年金が増えるので払ったほうがいいんですけどね。

スポンサーリンク