母子家庭にとっては国民年金の保険料の負担は重いものです。
いくら将来のためのといっても、子どもがいれば国民年金の支払いよりも育児のためにお金を優先して使いたいところ。
毎月の支払いに悩んでいる方は多いのではないでしょうか。
年金を払わなければ障害基礎年金や遺族年金への影響も考えられますし、年金の未納は後々不利な状況となります。
母子家庭が国民年金を払う負担が少しでも軽くなる制度についてまとめました。
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母子家庭は国民年金をいくら払う?
国民年金には母子家庭(一人親世帯)だけを対象にした保険料支払い制度はありません。
基本的には母子家庭でも通常の場合と同じ保険料を払うことになります。
しかし、国民年金には経済的に支払いが難しい方のための保険料減免制度があります。
未婚あるいは離婚によって経済的に困難な状態が生じている場合は国民年金の減免制度を利用しましょう。
通常の保険料と免除を認められた場合の月額保険料は、下記のとおりです。
年金認定区分 | 月額保険料 |
---|---|
通常 | 16,490円 |
4分の1免除 | 12,370円 |
半額免除 | 8,250円 |
4分の3免除 | 4,120円 |
全額免除 | 0円 |
前年あるいは前々年の所得にしたがって保険料を減免されます。
減免適用は以下の基準よりも合計所得が低い場合になります。
年金認定区分 | 減免適用 |
---|---|
全額免除 | (子どもの人数+1)×35万円+22万円 |
4分の3免除 | 78万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
半額免除 | 118万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
4分の1免除 | 158万円+扶養親族等控除額+社会保険料控除額等 |
納付猶予 | (子どもの人数+1)×35万円+22万円 |
例えば子どもが2人、年間所得が100万円の場合は(2+1)×35万円+22万円=127万円よりも下の範囲内に入りますので全額免除が認められます。
扶養親族等控除とは何か、ご存知でない方も多いと思います。
扶養親族等控除は、扶養している子どもの年齢や所得条件によって免除される税金のことです。
子どもが16歳以上であり、自分と生計をともにしていて、その子どもの年間の合計所得金額が38万円以下である(給与のみの場合は給与収入が103万円以下)とき所得税の控除を受けられます。
このとき扶養親族等控除ががあると言えますので、国民年金が減免されるための基準に考慮されます。
配偶者との死別によって母子家庭となった場合
配偶者が亡くなった場合、配偶者が保険料を支払っていたならば遺族年金を受けとることが可能であり、遺族の保険料は無条件で全額免除されます。
遺族年金の受給の条件
- 被保険者(配偶者)の保険料未納期間が全体の3分の一以上ないこと
- 死亡日の月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
- 老齢厚生年金の受給資格期間が25年以上ある者が死亡したとき
- 1級・2級の障害厚生(共済)年金を受けられる者が死亡したとき
この条件を満たしていれば遺族年金を受給できます。
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遺族年金や障害基礎年金のために
保険料の支払いは老齢年金を受け取るためだけではありません。
国民年金をきちんと支払っていれば、自分にもしものことがあったときに子どもに年金が支払われる遺族年金や、障害基礎年金を受け取れることになります。
遺族年金や障害基礎年金の受給条件は以下のいずれかです。
遺族年金や障害基礎年金の受給条件
- 被保険者の保険料未納期間が全体の3分の1以上ないこと
- 死亡や診断の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと
年金の未納期間がある場合、遺族年金・障害基礎年金を受け取れない可能性が出てきてしまいます。
経済的に年金を納める余裕がなくなったら、減免制度を使って年金の未納をなくしましょう。
まとめ
残念ながら日本には母子家庭向けの年金制度というものがなく、所得が低い方向けの減免制度を利用するしかありません。
自分の将来に備えることはお子さんの将来のためにも大切なことですから、他の保険に入ることは出来なくてもせめて国民年金は払っておきたいところです。
国民年金の制度が分かりやすければ良いのですが、相談・質問をしてはじめて制度について理解できたということもありがちです。
疑問に思ったことは早いうちに年金事務所や役場の相談窓口に問い合わせ、少しでも負担が軽減できないかどうか相談してみてはいかがでしょうか。
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