学生の間に、国民年金は払うべきなのでしょうか?

学生の間は今が一番大切な時期のように思えて、勉強や生活を充実させることに精一杯になってしまいます。

けれども学生でいられるのはつかの間のことですし、将来への不安は尽きません。

将来の備えである国民年金を払うべきなのは分かっていても、学生の間は経済的には難しいですよね。

そこで、学生の間に払わない場合の影響や学生特例措置の利用など、気になることについてまとめてみました。

学生の皆さんはぜひご参考にしてください。

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学生なのに、国民年金は払うべきなの? 払わない3つのデメリット

まず、学生の間に何の対策をせず国民年金を払わないという選択は避けたほうがいいと思います。

なぜかというと、以下のデメリットがあるからです。

1. 未納期間は将来の年金受給額に影響する

国民年金は払わなかった期間分が満額の受給額から減らされる方式をとっています。

年金をすべての期間(20歳~60歳までの40年間)払えば年間約78万円受け取れますが、仮に2年間の未払いがあった場合は約74万円と、将来受け取る年金には約4万円の差が出てきます。

もし年金を受給する期間が65~85歳までだとしたら全体では80万円の差です。

長生きすると考えればもったいないですね。

2. 障害基礎年金がもらえなくなる可能性がある

障害基礎年金は診断を受ける以前に3分の1以上の未納期間がないことが受給資格条件です。

もし学生の間2年間未払いであったならば、その後すぐ保険料を払い続けても最低でも4年間は受給資格を得られないということになります。

3. 後から支払うためには延滞金が発生する

学生期間が終わった後に払うとしても、追納するためには延滞金が必要です。

2018年現在では、3ヶ月以下の滞納には年利で2.6%、それ以降では8.9%延滞金を加算しなければなりません。

しかし、学生の間に毎月16900円の保険料を払うのは大きな負担となりますから、保険料を猶予してもらえる「学生特例措置」の制度を利用しましょう。

年金は学生特例措置を使えば安心?

学生特例措置とは学生の間だけ保険料の支払いを猶予する制度です。

払わなかった保険料の支払いは10年間延期できますので、4年制大学を22歳で卒業する場合で考えれば大体30~32歳くらいまでに年金を納めなおすことが出来ます。

学生特例措置を受けられる条件は次のようになります。

  1. 118万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等 よりも所得が少ないこと
  2. 大学、短期大学、高等学校、高等専門学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校のうち、いずれかに在学していること(夜間・定時制・通信制などを含む)

①については本人所得のみが考慮されます。世帯の所得は関係ありません。

学生特例措置を使えば延滞金を支払う必要はありませんし、受給資格期間を得ることも出来ます。

受給資格期間とは納付を延期しても年金未納期間として扱わず、最低納付期間の10年間の中にカウントできることを言います。

しかし、学生特例措置は保険料免除=全く払わないでよいという訳ではないので、保険料を納付したことにはなりません。

ですから、猶予措置の間払わなかった保険料分の年金受給額が減ることになります。

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納付を延期することは可能だけど…

もらえる年金の額を減らしたくない場合は、学生の期間が終わった後、納付が猶予されている10年の間に年金を追納することも可能です。

仮に平成30年4月~平成32年3月までの2年の間保険料納付を延期し、その後追納に必要な額は16,900円(平成30年4月からの保険料額)×2=405,600円となります。

40万円超となると、まとまった額としては払うのをためらってしまいそうですが、追納は1ヶ月分ごとに分納できますので月々の保険料と一緒に少しずつ払うことが出来ます。

年金追納で所得控除になる

追納分は所得控除の対象となるので、ある程度まとまった金額を追納すれば節税効果が期待できます。

支払う税金額との兼ね合いで、どれくらいの額を追納するのか決めるのが良いでしょう。

まとめ

社会人になってから勉強することは難しくなりますので、やはり学生のうちはお金を稼ぐことよりも学ぶことのほうが大切です。

しかし、国民年金はこれからの人生において長く付き合わなければならない制度です。

学生のうちは特例制度を使うことで免除は可能ですが、社会人になってから追納するかどうかなど学生のうちにしっかり計画を立てることが必要ではないでしょうか。

国民年金とどのように付き合って行くのか、少しでも頭の片隅に入れておけば迷ったときにも良い決断が下せるはずです。

国民年金は現代の長寿社会を生きる私たちを支える制度ですから、これからも大切にしていきたいですね。

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