国民年金を受給する為の資格は、制度改正によって2017年8月に最低納付期間が25年間から10年間へと短縮されました。
それまでの無年金者を救済する為の措置として年金機能強化法として施行されたのですが、この制度によってどのような方が年金を受け取れるようになったのでしょうか。
自分はもう年金は必要ないと思っていても、あれば役に立つのがお金。
60~70歳でこれまで受給資格がなかった方もまだ間に合う可能性があります。
国民年金の受給資格とは何か、国民年金の受給資格を得る為に必要な追納や後納についても解説します。
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国民年金は受給資格は最低納付期間10年!
これまで国民年金の受給には、25年以上の資格期間が必要でした。
しかし、2017年8月、国民年金の受給資格期間が10年となり、これまで資格がなかった高齢の方も年金の受取が可能になりました。
受給資格期間とは?
受給資格期間とは、保険料を納めた期間や加入者であった期間の合計年数です。
受給資格期間を満たせば、年金を受け取ることが出来ます。
2017年現在は10年間以上が受給資格期間として定められています。
この改正によって、年金を受け取ることが出来るようになった該当者には年金機構から黄色の封筒で案内が送付されており、窓口での手続きによって受付票を交付されます。
受付票を交付されたあとは2ヶ月程度で年金証書が交付され、その50日程後に実際に年金が振り込まれます。
年金の資格期間が10年以下でもまだ間に合う?
年金の最低納付期間が引き下げられたことに伴い、60歳以上の方で、年金を納めた期間が10年以下の方も年金を受け取れる可能性も出てきました。
具体的には
- 60歳以上70歳未満の年金受給資格のない方の国民年金の任意加入
- 過去5年間に未納期間がある場合に利用できる後納制度
を利用することです。
国民年金の任意加入
国民年金の任意加入とは60~65歳までの方が老齢年金の受取額を増やしたい場合に任意で保険料を払えるという制度なのですが、最低納付期間に満たない場合は70歳未満まで延長して年金を納めることも出来ます。
国民年金の後納制度
国民年金の後納制度とは過去5年以内に国民年金保険料の納め忘れがあったとき、申し込めば年金を納められるという制度です。
これらの措置によって10年以上の納付期間を満たすことが出来れば、受給資格を得られることになるのです。
年金資格を新たに得るための追納や後納については「ねんきんダイヤル」に相談すると良いでしょう。
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持ち主の分からない年金記録は約2,000万件!
実は、年金を10年以上納めていたとしても年金が貰えないケースも多いのです。
その訳は、持ち主の分からない年金記録が約2,000万件もあること。
平成9年1月以前には、基礎年金番号による個人の年金記録が統一されていませんでした。
それにより、転職によって年金に加入しなおしたり、結婚によって姓が変わったり、名前(姓)に様々な読み方があると年金記録がばらばらになってしまい、納付期間の確認が取れなくなってしまうという事態になってしまったです。
これによって、保険料を払ったにもかかわらず途切れた年金記録が発生することになりました。
誰のものか分からない年金の記録を年金番号に結び付けるには、本人の申し出による確認が必要です。
これまでに約2,961万件の記録が年金番号と結びつき、年金受給に結びついた例も多くあります。
確認の取れない記録は現在でも約2,000万件!
心当たりのある方は、自分の年金記録を年金事務所で確認しなおしましょう。
該当する方はねんきんダイヤルを使って予約
年金を納めた年数が10年以上、25年未満の方は是非「ねんきんダイヤル」で年金事務所への予約や相談を行いましょう。
電話番号はこちらに記載されています(年金ネット専用ダイヤルについて)。
事務所に出向くことが困難な方や、確認したい事項がある方も、電話を掛けてみることで解決することがあるはずです。
最低納付期間が10年なのは今のうちだけ?
しかし、これはあくまで今現在年金を受け取っていなかった方への救済措置です。
これから経済状況が変化すれば、最低納付期間はまた延長される可能性もあります。
また、10年という納付期間で受給できる年金は、40年間支払った場合の4分の1程度です。
これから先も長く年金を納める期間がある方はあくまで目安として受け取るのが良いのではないでしょうか。
まとめ
年金制度が改正されたことで、その恩恵を受けられる人が増えたことも確かですが、それが実際に浸透しているかは別だと思います。
実際、確認されていない未統合の年金記録が2,000万件もあることから分かるように、年金を受給することを諦めている・関心がないお年寄りは、年金機構から案内が来ても「自分には関係がない」と思ってしまいがちではないでしょうか。
まして年金制度は複雑で、お年寄りがわざわざ相談窓口まで向かうのは結構な負担のはずです。
もし家族や身の回りのお年寄りで無年金の方がいらっしゃったら、受給資格を得られるかどうか、未統合の年金記録がないかを是非確認してあげてくださいね。
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